「なんで笑ってるの?」



「え?」





意外にも紫乃から質問が返ってきて、俺は固まってしまう。





「ちょっと、聞いてる?」



「あ、うん。
で、なんだっけ?」



「……もういいわ」





呆れた顔してそう言うと再びプリントに視線を移す。



あぁ!



俺のバカ!!



なんで紫乃の話し聞いて無かったんだよ~っ!



折角紫乃から話しかけてくれたのにな~



後悔しているとカタン、と小さな音をたてて紫乃が立ち上がる。





「帰んの?」



「ええ」



「じゃぁ一緒に帰ろうぜ?」



「嫌よ」



「ちぇ」





一緒に帰るくらいいいじゃん。



まぁ後ろから着いてったろ。