「紫ー乃っ♪」 「……またあなた? !?」 紫乃は呆れ気味に俺の方に振り返る。 でもオレを見た瞬間、目を見開いてやがて納得したかのように椅子に座る。 「あははー またケンカしちった♪」 血出てるし痛そうな傷多いし、普通女なら 「きゃー」 とか 「大丈夫?」 だとか言うんだろ? なのに紫乃ときたら 「唾でもつけたら治るわよ」 なんていつもの調子。 ………なんだかなぁ… それでも。 「はい」 なんて言いながら俺に絆創膏を渡してくれる。