紫乃と話さないですごすのも1週間が過ぎた。



もともとクラスも違ェし、どっちかが故意に会いにいかなきゃ会えねぇ。



…俺はサボってるし。



木の日陰になる非常階段は俺のお気に入り。



涼しくて、暇があればここに来る。



なかなか人も来ねェしな。



なのに。





「加藤陽一!」



「! 紫乃?」





なんでここにいるんだよ!?



名前なんて初めて呼ばれたぞ!?



しかも今授業中だし…



真面目な紫乃が授業サボるとかありえねぇだろ。





「言っとくけどサボってないわよ。

ちゃんと保健室行ってきますって言ってきたわ」



「いや、保健室に行かなかったらサボりだろ」



「う…」





うわ、俺に突っ込まれる紫乃ってなんか新鮮。