「でもでも、もしほんとにそうなら、私、次観たときはもっと泣けると思う」


「え、なんで?」


「だってだって、その誰かのために映画までつくるって、とってもとってもすごいことだもん」


「そりゃそうかもしれないけどさ……」


「すっごいすっごい愛だよね。フラれても、まだその人のことを想ってるんだったら」


「未練たらたらだけどね」


「それでもそれでも、私はいいと思う。私もそんなふうに、愛されたいな」


 ……あれ? これってもしかして、誘われてる? 私もナイトくんに愛されたいと。そういうことかー!

こ、これが噂のアタックチャーンスか! こ、告白すべきか……でも、この場合なんて言えばいいんだ? 

俺、告白したことないんだけど。こう見えて、告白の呪文、知らないんだけど。

普通に「好きです。付き 合って下さい」とかか? 

いやいや、それじゃ面白くないしな。あれ、ていうか告白に面白さって必要なのか?

ていうか、普通に告白する勇気がないだけなのか?


「ねえねえ、ナイトくん……」


 え、え、え、え、まさか、まさか、まさか! これはあれか!? 逆に告白されるパターンのやつか!?

どどどどうしよう。どうすんのよ。どうすんのよ、俺。


「ナイトくん……ありがとう、タイムオーバーみたい」