「そんなわけないでしょ。短期のバイトが入ってんだってー」


「あ、なんだ…」


ビックリした。

バイトね…そっか。


「あの三多だよ?超天然じゃん?アイツと付き合える子はなかなかいないって」


確かに三多は、会話が成り立たないこともしばしばあるような不思議な奴。


「でも運動神経はよかったよね」


「あー、この間のバスケのジャンプ力はすごかった。誰にでも得意なことはあるってことじゃん?」


クラスメートから見た、三多の評価は並。

上でも下でもなく、いたって普通の中。


それでもあたしの中では、他の男の子より三多は上…だったりする。


気が付いたら目が追ってしまってる。


そのきっかけは単純なこと。

だけどあの日から、あたしの心は動き始めた。


あれは今から丁度一年前…。

雪の降る寒い日。