いつまであたしはサンタクロースを信じてたのかな…。


「雪菜はクリスマスプレゼントに何が欲しいの?」


「んーとね、んーとね、雪菜ね、おっきいぬいぐるみが欲しいっ」


まだあたしが小さかった頃、サンタクロースは欲しい物を何でもくれた。


「じゃあパパにお願いしてもらいなさいね」


「はーい♪」


あたしの家ではお父さんとサンタクロースが知り合いで……

毎年クリスマス前になると、お父さんがサンタクロースに電話をしてくれてた。


「もしもし、サンタさんですか?雪菜は大きいぬいぐるみが欲しいそうです」


どこにも繋がっていない受話器を持って、お父さんが会話をするフリをする。

もちろん、この頃のあたしは全てを信じていたけど。


「ねぇ、サンタさん雪菜に何か言ってなかった?プレゼントくれるって?」


「雪菜がいい子にしてたら、ちゃんとくれるってさ」


「やったー!!雪菜、ママのお手伝いがんばるっ」