慧はブラックの缶コーヒーの蓋を開けた。 コーヒーのにおいが穂のかに香る。 慧は、昔から嗜好が大人っぽくて、あたしは必死に真似しようと頑張ってたんだ。 だから、苦手なグレープフルーツジュースも飲めるようになったし、好き嫌いも減った。 小さいころは何でも慧の真似ばかりしてた。 未だにブラックのコーヒーは苦手だけどね。 ぼんやり小さい頃の記憶を辿る。 「まぁ、小那美も少しは大人になったよ。」 と、慧は照れながら言った。 「ふふっ」 あたしも照れくさくて、笑って見せた。