王子side

「きゃぁぁぁ」
「あの、写真撮らせてください!」

うるせぇな…
だから来たくなかったんだよ…。
よりによってアイツいねぇし。

「ごめんね。今、急いでて…」

王子スマイル。
これも最初は顔攣りそうだったよなぁ。

「1枚だけですから!」

しつけぇな…

「ごめんね。俺、ホント人探してるんだよね。」

大体、こういえば退いてくれるんだよなー。

「あ、それなら!情報通の女の子知ってますよ!」

情報通の女子?
オタクか?

「海華ちゃーん。」
「ほら、情報屋!呼ばれてるよ!」

周りの女子が一斉に後ろを向く。
視線の先には気強そうな女子。
お、結構可愛いじゃん。
タイプじゃねぇけど。

「お呼びですか、王子様。」
「王子なんかじゃないよ。それより、君が情報通の女の子?」
「そんな感じですけど。」
「この学校の"姫"ってどの子?」

そう聞くと、その女子は笑顔で言った。

「私の親友です。きっと。」

思ったより、早く見つかったみたいだな。

「案内…してくれるかな?」