「華さーん」
「あら、いらっしゃい。」

八百屋の雅(マサ)くんのお嫁さん。
綺麗で可愛くて大人っぽくて。
私のお姉さん的な人。

「今日は雅くんいないの?」
「雅ねー、風邪引いたのよ。」

だから今日は私1人なの。と笑顔の華さん。
癒しだよねー。雅くん、いいお嫁さんもらったね。

「頑張ってね。あ、人参、ジャガイモ、玉葱ください。」
「あら、今日はカレーかな?」
「せいかーい。」
「ふふっ。大きいの入れておくわね。」
「お願いしまーす。光流が全部食べちゃうんで。」

そう言うと、光流が反抗してきた。

「人を食いしん坊みたいに言うなよ。」
「ほんとのことでしょ。」
「食べ盛りなだけだ。」
「それを食いしん坊って言うんだよ。」

ね、華さん。と同意を求めると笑いながら仲いいわね。っていってた。

否定はしないけどね。
何でも話せるし、信頼できるし。
顔もそんなイケてないし。

「今、お前なんか失礼なこと思っただろ?」
「私なりに光流を褒めてたよ。」
「そうか…。」


華さんから野菜を受け取って、お金を渡して。
あ、もちろん持ってるのは光流。

「あれ、ルーあったっけ?」

カレー作るのに、ルーが無かったら作れない。

「あったはず…。連絡してみっか。」

光流が携帯で電話を掛ける。
相手は多分、天兄。

「あ、もしもし?今、どこ?」
『今?家だけど?』

聞こえてくる声は天兄のもの。
どうやら、大学は終わったよう。

「今日の晩飯カレーなんだけど、ルーあった?」
『あー、ちょっとまってろー。』

確かめに行ったのかな?

「あー、分かった。おう。」

光流が通話を切ってこっちを向く。

「あるってさ。」
「じゃ、帰ろう。」
「あー腹減ったー」

こうして、私達は帰宅する。