姫side

「助かった。光流…」
「どーいたしまして。」

私達は買い物へ向かう真っ最中。

「お前…はっきり顔に出てたぞ。」
「だって、朝にイケメン嫌いだからって言ったし。」
「朝から付きまとわれてんのかよ。」
「私なんかの何処がいいんだか。」

イケメン様の考えることなんてわかんない。
こっちにしてみればいい迷惑。

「ところで、今日の晩飯は?何?」
「何にしよーか。何食べたい?」
「んー…無難に、カレーでどう?」

カレーか…。
冷蔵庫に材料あったっけ?

「冷蔵庫ん中、何も入ってねぇよ。」

こいつ…最初からカレー作らせるつもりだったな…。

「材料持ってね。お兄ちゃん♪」
「うわ…お兄ちゃんとか…寒気が…」

何か言ってるけど気にしない。


まぁ、そんなこんなで近所の商店街に着きました。


よく来る商店街。
皆さん優しくて、気前が良いから大好き。
もちろん顔見知りばっかり。

「お、今日は2人かい?」
「いつでも仲いいねぇ…。羨ましいよ。」

この2人はお肉屋さんのおじさんとおばさん。

「荷物持ちだよー。あ、豚肉くださーい」
「はっはっはっ!荷物持ちか!光流くん」
「おじさん、笑ってないで俺んちまで運んでくんね?」
「光流くんもカッコよくなってー…。彼女いないのかい?」
「あー、残念ながら。おばさん、嫁にこない?」
「あら、やだ。どうしようかしら。」
「おー、持ってけ。こんな年寄りの女でよかったらよー。」

おじさん…自分のお嫁さんじゃないの…?
そして、おばさん。なんで本気にしてるの。

「おじさん、豚肉…」
「おー、悪いねぇ。ほれ、持ってきな!」
「ありがとー、はい、御代ね!」
「まいどー!」
「また来なさいねー」
「「はーい」」

肉を光流に任せて、次は八百屋!