王子side

キーンコーンカーンコーン

チャイムが響く。
俺は陸と屋上で、好きな奴を落とすための作戦を練る。

「つか、お前の好きな奴って誰だよ?」
「あ?俺?」

俺は陸の好きな奴を聞いたことが無い。
まぁ、遊び相手の女なら何人かは知ってるけどな。

「お前も知ってる奴だと思うけど。」
「あー?俺の知ってる奴?」

心当たりは、ケバい女たちだけ。
いなくね…?

「つか、お前のタイプってどんな感じなんだよ?」
「そこからか!?」
「お前、いろんな奴と遊んでっからわかんねぇ。」
「たしかに。」
「認めんのかよ。」

こいつと居るのは楽しい。つか、楽だ。
素で話せるし。
普段はお互い猫被ってるからな。

「俺のタイプはー。可愛くて気強くて、しっかり者。」
「わかんねぇー」
「んじゃ、大ヒント。俺の好きな子はこの学校1の情報通。」

情報通?
可愛い系で、情報通。


「あー。知ってるわ。」
「分かった?あの子さ、園崎 海華って子なんだけどさー。」

陸、お前の顔やべーよ。
何か…気持ち悪い。

「今、気持ち悪いとか思ったろ!?」
「あぁ。思った。」
「そこ否定してくれ!」


王子の想い人は姫
その親友の想い人は姫の親友

面白くなってきたな。