「この後、何か用事ある?」

イサオさんの冷たい手に
繋がれた私の手は高鳴る鼓動と
共にどんどんと体温が上がり
熱くなっていく。
 
彼に察知されないように
私は手を解いた。

「いえっ」
 
「じゃあ
 一緒に飲みに行こう
  
 初めて俺とあった、あの
 飲み屋、BARを憶えてる?
  
 ここから近いから
 そこで待ってるよ」

「はい・・・」

私は仲間の元へ戻り、社長と
挨拶を交わした後は、皆と
パーティーを楽しんでいた
けれど、この後の彼との約束
の事がどうしても気になる。
 
私の気持ちはもうここには無く
そわそわと落ち着かない。

「ミオさん、聞いてます?
  
 さっきのアクセサリー作家
 の方、とても素敵な人ですね
  
 もう、帰られたみたいで
 残念」