ただ、どうして・・・
 
あんなにも素直に、彼に
全てを話せたのだろう・・・
 
イサオさんと出会って、まだ
幾日も経っていないのに
何も纏っていない裸の自分の姿
を、彼に見られたようで
 
私はあの日、仕事に戻った後
恥じらいにも似た思いに
この胸が騒いだ。

どんな顔で今後
彼に会えばいいのだろう・・・

たくさんの人が集い、賑わう
パーティー会場に着いた私の瞳
に一番最初に飛び込んで来た人
 
それは・・・

社長と楽しそうに会話をして
いるイサオさんの姿だった。

彼はお洒落なスーツを着こなし
その立ち姿は溜め息が出る程に
素敵で、会場に来ていた
全ての人を魅了した。

「ねえ、あの素敵な人は
 誰なのかしら?」

見つめる私の視線に気がついた
彼は私の方へと歩み寄って来る