私とイサオさんが抱きしめ合う
姿を見つめていたアキラさんは
その場を後にした。

「アキラ・・・」

私は、咄嗟にイサオさん
から離れた。

彼は、ドアの外を見つめる。

「あの後ろ姿、アキラに似て
 いたけど違ったみたいだ」

「本当に人違いですか?」
 
戸惑いながら、そう聞き返す
私の想いに気がついた
イサオさんは優しい声で話す

「アキラの事が好きなの?」

頬を赤らめて私は頷き
イサオさんとの関係を
誤解されていたら・・・

そう思うと、ひどく動揺した

「製作中は、アキラは
 ここへは来ないよ
 だから何も心配する事はない
  
 仮に、もしアイツだったと
 しても俺がちゃんと誤解を
 解くよ、安心して・・・」