「最後まで
 私の話を聞いてくれて
 ありがとうございます
  
 ユイが話していた事の
 大部分は、間違いでは
 ありません
  
 彼女が言ったように
 私の全ては・・・汚れている
  
 私は、欠陥品・・・」

イサオさんは、私を強く
抱きしめて言い放つ。

「君は、汚れてなどいない・・
  
 お願いだから
 自分の事を欠陥品だなんて
 言わないでくれ」

彼の言葉にあの時、凍りついた
私の心はゆっくりと溶けていく
のが分かる。

「ありがとう」

私たちが抱き合う姿を、工房の
外でアキラさんが見つめていた
事にも気づかずに
 
イサオさんの腕の中で
私は瞳を閉じた。