私は、十五歳の中学生の頃に
義父に右頬を腫れる程に打たれ
暴行を受けた。  

「何も知らなかった少女の私は
 こんなに薄汚い世界がある事
 に気づかされ母の目を盗んで
 私に触れる義父から一日も
 早く逃げ出したかった
  
 そして私は高校生になり
 十六歳を迎えた頃に、親友
 ユイの兄ヨウジさんと
 出会ったの」

ヨウちゃんの事を私は
真剣に愛した。

彼を好きになる程に自分の過去
を隠している事がつらくなり
私が心の傷の全てを話すと
彼は黙って私を包んでくれた
 
家に帰らなくてもいいように
私を自分の家へと連れて
行ってくれ、彼の両親にも
二人の関係を認めてもらい
私達は高校を卒業したら
結婚しようと約束を交わした
 
彼の傍に、ずっといられる

・・・そう、思っていた。
 
とても穏やかで

幸せな時間だった。