イサオさんは私の元へ降り立ち
強く、私を抱きしめてくれた。

その姿を見たユイはその場から
立ち去るしかなかった。

その腕の中で

私の震えは止まる。

イサオさんは、ユイが
立ち去った後も、私を
ずっと抱きしめていてくれた

急に降り出した雨音が
二人の間に流れる静けさを
打ち消してくれる。

「大丈夫?」
 
彼に支えられ、私は室内の
椅子に腰を下ろした。
 
冷たい水をコップに注ぎ
私の両手にしっかりと
持たせてくれる。

「さあ、飲んで」

冷たい水が喉をつたい、私の
心の芯を綺麗にしてくれる
ように感じた。