彼に自分の存在を知られて
しまった事の気まずさに
ばかり囚われていた私は
 
一瞬だけユイの存在を
忘れてしまっていた。
 
彼女は私に忍び寄り
右頬を強く打った。

「ユイ・・・」

「私の好きな人は、必ず
 ミオを好きになる
  
 あんな裏切り方をされたのに
 兄はまだミオを愛している
  
 どうして
 ミオがいいの?
  
 どうして
 私じゃいけないの?
  
 ミオなんて最初から欠陥品
 なのに

 父親にイタズラされ・・・」
  
「やめ・・・」
  
「やめろ、それ以上言うと
 
 おまえの事を  
 
 俺はゆるさない」