「アキちゃん、コーヒー
 飲むでしょう?
  
 ミオちゃんにも、新しい
 コーヒー入れるわね
  
 そうだ、お仕事も終わった
 みたいだし、もう少し
 ゆっくりして行ってください
 
 男ばっかりで花が無くて・・
 
 それに、お話の続きも
 聞きたいわ」

「何の話?」
 
兄弟で顔を見合わせた。

「でも、わたし・・・
 お仕事のお邪魔だと思うので
 この辺で」

イサオさんは、今、火をつけた
ばかりの煙草を灰皿に捨て
席を立つ。

「ゆっくりしてきなよ
 俺はちょっと横になるわ
  
 昨日遅くまで、指輪を
 仕上げてたからもう限界
  
 セリ、おまえも今日は
 早く帰れよ
  
 幾ら長尾がいい奴でも
 いい加減にしないと
 捨てられるぞ」