「コンタクト、苦手なんだ
 本当は、眼鏡も好きじゃない
   
 何もつけないのが一番だけど
 仕事も、運転も、ミスは
 絶対にできないから
 そうもいかない」

「普段、付けていないでしょう
 どれぐらい見えてるの
 セリナさんが以前、話してた
 イサは視力が悪いから
 見えてないって」

イサは、笑ってみせる。

「見えてるよ、なんとなく
 ぼんやりとだけど・・・
 目を細めれば、もう
 ちょっと見える
   
 美桜と初めて会った時
 美桜がアキラを見てたの
 知ってたよ」

「じゃあ・・・」

彼は、子供のように茶目っ気
たっぷりに微笑んだ。

「セリが俺の事が気になって
 アキラと飲み屋に来るだろう
 事は、最初から分かってたよ
   
 これまでも、よくある事
 だから・・・
   
 あいつ、どこのお店で
 何時に飲み会があるのか
 耳が痛くなる程に、俺に
 聞いてきてたし」