アキラとセリナさんは、私たち
が籍を入れて間もなく、二人の
計画どおりに、身内だけで些細
な結婚式を挙げ、めでたく夫婦
となった。
 
リビングには、その時に4人
並んで撮影された写真が
飾られている。

アキラがお手洗いから、新郎側
の待合室へ戻る途中、式場で
迷ってしまい、なかなか戻って
来ない為に開始する時間となり

待合室にいたイサがスタッフに
新郎と間違えられて連れて
行かれそうになるという
ちょっとしたハプニングも
ありました。

「アニキ達の式は
 当分先になりそうだね」

「ああ、個展が終わるまでは
 無理かな」

「でも、アニキがそんな面倒
 くさい事、よく引き受けたね
 
 まっ
 親の頼みじゃしかたないか」

義母の知人で、イサも面識の
ある雑誌関係の人が今注目の
アクセサリー作家達の作品を
集めた個展を開き

その模様を、特集に組み雑誌に
掲載する為に、イサに、個展へ
の参加を熱望したのだった。