私はたった一度、頷く。

すると彼は、私の頬に
手を翳した。

「幸せにするよ、約束する」

嬉し涙が、頬を伝う。

初めて貴方と結ばれたあの時
のように緊張が私を包む。

重なる・・・唇、漏れる吐息
 
私は少女のように、貴方に
導かれていく。

その翌日、二人で婚姻届の用紙
を役所へ取りに行き

その後、お互いの家に挨拶を
済ませ、後日、無事に婚姻は
成立した。

私は最近やっと、榊枝さんと
呼ばれる事にも慣れてきた。

そして、今日もまた、アキラは
ここへ来て、私の名を呼び
私に返事をさせて喜んでいる

「榊枝(サカエダ)美桜さん」

「はい」

イサとセリナさんは、顔を
見合わせて笑いあう。