私が、この事に

囚われ続けていると

イサも、私と同じように苦しい

イサを、苦しめたくないよ。

私は彼に、強く抱きついた。

「イサ、どうか苦しまないで
 一緒に乗り越えていこう
 
 イサが傍に居てくれれば
 それでいい」

私はもう泣かない

そう、心に誓う。

私たちは決めた、この出来事
を二人の心のずっと奥底に
しまっておく事を。
 
忘れる事のできない

悲しい秘め事。 

けして、アキラやセリナさん
に、この事を知られては
いけない。
 
知れば、きっとセリナさんは
自分自身を責め、アキラの手を
放してしまうだろう。

もう、誰も傷ついてほしくない

もう、誰も傷つけたくない。