私は、イサに話さなくては
いけない事がある。

「イサ・・・
 聞いてほしい事があるの
   
 とても・・・
 
 大切な、話
   
 私と母しか知らない」
 
そう話す、私の深刻な面持ちに
セリナさんがアキラの肩を叩き
工房の外へと連れ出してくれた

室内には、私とイサの二人だけ

「大切な話って?」

私を抱きしめる手を解き、彼は
心配そうに私を見つめた。
  
静かな、とても静かな空間。

私は、込み上げてくる悲しみを
涙声で言葉にする。

「私、子供・・・

 駄目だった
   
 流産したの・・・」
 
私の言葉に驚いた彼の顔色が
どんどん青褪めていく。

「そんな・・・」

私は泣いてちゃいけない。