「黙っていた事は謝るわ
   
 偶然に彼に会えばミオの
 気持ちも変わるかと思・・・
   
 ミオ、何処へ行くの
   
 ミオ・・・」

私の体は、イサの元へと
走り出していた。
 
イサが今、セリナさんと一緒に
居るとかそんな事を考えている
余裕など、今の私には無かった

ただ、どうして、あの工房を
出て行ってしまうの。
 
そう、イサに聞きたかった。

イサの口から、ちゃんと・・・

私は、あのドアの前から、製作
をする貴方の姿を見つめる事が
大好きだった。

工房の匂いが大好きだった。

赤いカーテンが揺らめく
ゴシックなあの部屋が大好き
だった。

貴方が、私だけを見つめ・・・

私は、貴方だけを見つめる。