後に母から聞いた話では、母も
私ができる前に、同じように
子供を初期流産したらしく同じ
悲しみを乗り越えて生きていた

「母さん、イサには・・・」

母は少し、困った顔をした。

「貴女に言われたとおり
 何も話してないわ
  
 居場所が分かったらすぐに
 連絡をくださいって
 イサオ君に何度もお願い
 されているのに、母さん
 彼を裏切ってしまった
  
 赤ちゃんは、イサオ君との
 子供なのでしょう
  
 ミオ、本当に彼に話さなくて
 いいの?
  
 彼は、父親なのよ」

「いいの、この子は、一人で
 産んで育てるつもりだったの
 ・・・私だけの赤ちゃん

 赤ちゃんが
 いなくなっちゃった・・・」