「ああ・・・
 連絡があれば必ず、教えて
 くれるよ
   
 美桜は、弱そうに見えて芯は
 しっかりしてるんだ
 こうと決めたら絶対に揺るが
 ない
   
 俺と別れると決心したアイツ
 は、全てを捨てた
   
 もう、二度と会う事は
 叶わないだろう
   
 俺もアイツに捨てられたよ」

そう言い、苦笑するイサオに
セリナは言う。  
 
「こんな言葉、私が言うのは
 間違っているかもしれない
 けど・・・

 二人は、今でも愛し合って
 いるんだもの
   
 いつか、必ず会えるわよ
   
 今もどこかで、この月を
 きっと彼女も見ているはず」

「本当に、実家を出て
 一人でやって行くの?」

「実家には十分に甘えさせて
 もらったわ
   
 これ以上、兄や義姉さんに
 迷惑はかけられない
 こんな我侭な小姑は、早く
 退散しなくちゃね
   
 助けられたこの命、娘の為
 だけに生きていくわ
   
 母のように強く、誰にも
 頼らずに・・・ 
   
 今まで本当にごめんなさい」