私は、目立たないお腹に手を
あてて、ほんの小さな赤ちゃん
に話す。

「赤ちゃん見て
 月が綺麗ね・・・
   
 この月を、パパも
 見てるといいね」

イサ・・・元気ですか?

こんな月夜は貴方に抱かれて
このリングに永久の愛を誓い
合い、貴方の腕の中、深い眠り
についた日の事を思い出します
 
翌朝に、あんな出来事が起こる
事など知らずに
 
私たちは、満ち足りた幸福の中
を漂っていた。

イサ・・・

今夜も、また私の夢に現れて
大好きな、あの低い声で
私に、頑張れって言ってね。

その頃、イサオも月を見ていた
隣には、セリナが居る。

「イサ、ごめんなさい・・・
 ミオちゃんの事、私のせいね
   
 彼女は今
 どこに居るのかしら?

 親御さんにも、本当に
 連絡は無いの?」