「ごめんなさい・・・
 アキラ・・・」

小雨の降る朝・・・
   
光の射さない窓、イサは
ベッドに眠る。

毎日の病院への付き添いに
疲れ果てた彼は、眠りから
覚めることはない。

私は、アキラに送ってもらい
帰宅した時にまとめた荷物を
持ち、この部屋を出る。

イサ・・・

貴方は、セリナさんを大切に
してあげなくてはいけない。
 
あんなに傷ついた彼女を
貴方は絶対に放ってはおけない
見捨てられない。

その事を、私は知っている。

だから、私が、答えを出して
あげる。

さようなら・・・

私は仕事も辞め、全てを捨てた

どこか遠くへ・・・

でないと、この決心が揺らぐ時
私は、真っ先に貴方に会いに
行ってしまうから。