彼の不安な気持ちが、痛い程に
私に伝わる。
   
この腕に

ずっと抱かれていたい。
   
この手を

ずっと繋いでいたい・・・

病院は完全看護の為、イサは
病院を出た後から、近くに車を
停めて、ここでずっと私の仕事
が終わるのを待っていてくれた

家へ戻った私たちは簡単に食事
を済ませた、と言ってもイサも
私も、食べ物が喉を通って
いかない。
  
何も話さないまま、時は過ぎ
同じベッドで眠る。
 
「美桜、明日も病院へ行くと
 セリと約束したんだ

 ごめん・・・

 仕事終わる頃に迎えには
 行くよ」

私の胸に頬を寄せ、鼓動を
聞いている彼を両手で
抱きしめる。

「イサ、無理しないで・・・
 セリナさんが退院するまで
 病院へは通わなくては
 いけないでしょう・・・」