仕事を終えた私は、店長と共に
従業員入り口から出て行く。

「ミオ、こんなに遅くまで
 残業ごめんね
    
 今日は、ありがとう」

「いいえ、私こそ昨日に今日と
 ご迷惑をかけてしまって
 すみませんでした」

店長と話し終え、別れて
歩き出す、私の元へ
彼が近寄る。

私は、その場に立ち尽くし
一歩も動けない。
  
そんな私をイサは優しく包み
耳元で囁く。
 
「心配した・・・
   
 美桜が、俺の前から
 いなくなるんじゃないかって
 俺・・・」

迷子になった子供のように
彼は動揺していた。

「どこにも行かないよ・・・
 
 私は、イサの傍に

 ずっといるから」