「そこにアキちゃんも加わって
 母親のように、アキちゃんの
 世話をする事であの子は人に
 対する思いやりを知り、大人
 に成長した
    
 おばさん、貴方たちには
 どれだけ感謝してもしたり
 ないわ、ありがとう・・・」

最後に、彼女は言う。

「貴女はセリナに、何も
 遠慮する事はないのよ
    
 セリナはもっと、強くなら
 なくちゃいけない
 この子の母親なんだもの・・
    
 人に頼ってばかりでは
 いけない」

私は、セリナさんに遠慮する事
なく、私の思うままに歩いても
いいの?

いいのなら、イサと

ずっとずっと一緒にいたいよ

だけど、同じような境遇を持つ
セリナさんを、私はやっぱり
見捨てる事ができない・・・
 
私の心の傷ならば、時間が
経てば消えるだろう。
 
けれど、彼女の手首の傷は
一生消えない。