「アニキ」

アキラから、彼女は発見までに
時間がかかった為に出血が
ひどく、まだ意識は戻って
いない事を聞く。

「アニキ
 セリと何があったの?」

イサは、昨日の出来事の全てを
アキラに話した。

「セリの気持ちが、不安定な事
 を知っていたのに、俺は
 自分の想いの全てをあいつに
 ・・・」

アキラは、俯くイサの姿に
向かい、強く言葉をかけた。
  
「アニキ、自分を責めるのは
 やめなよ
  
 何があっても、自分の手首を
 切るなんて一番してはいけな
 い事だ
  
 二度も同じ事を繰り返す
 なんて、セリは、俺たちの
 何を見てきたんだ
  
 あの日の苦悩を・・・」