今まで、この空を独占していた
月夜は深く身を潜め、変わりに
朝陽が、雲の合間から光を放つ
 
夜から、朝へ・・・

二人は手を取り合い、眠る。

その眠りを妨げる音

アキラからの連絡を受け
私たちはセリナさんが救急車
で運ばれた病院へと急ぐ。

二人は何も話さないまま
車は走る。

ハンドルを持つ彼の両腕は震え
ミラーに映る顔色は、どんどん
青褪めていく。

イサは今、自分が侵して
しまった失敗に気がつき
ひどく、悔やんでいる。
 
そう、精神的に不安定な彼女に
彼自身の真実の想いを全て話し
てしまった事を後悔している

「俺のせいで・・・」

病室の前、アキラが私たちの
到着を待っていた。