「セリ・・・」

「そんな顔しないで、突き放す
 なら、最後まで徹底的に
 突き放しなさい
 それが、イサの悪いところね
  
 私はもう二人の邪魔はしない
 だから、ミオちゃん安心して
 ・・・・・・

 イサ、私は今日でここを
 辞めるわ
  
 ここに居ると私は
 貴方に縋ってしまう」

「大丈夫なのか?」
 
「大丈夫よ、イサ
 今までありがとう
 
 妹は、兄離れします」

そう、言い残し、明るく演じて
見せた彼女の本心に、私もイサ
も全く気がつかなかった。
  
彼女の演技に二人は騙され
この部屋を出て行く彼女の
後ろ姿を止めなかった。