同時に、事務室からセリナさん
が書類を持って出てきた。

二人は同時に、彼の名前を呼ぶ

「イサ・・・私、やっぱり」

「イサ、この書類だけど・・」

そこへ同時に二人に呼ばれた
彼が現れ、真っ先に私の元へ
近づく。

「美桜、気分は・・・

 大丈夫?」

セリナさんが、私の事をじっと
見つめる。
 
どうして、貴女がイサって
呼ぶの?

と、問いかけるように。

そして、その目は次に、ボタン
の開いたシャツから覗く私の首
に飾られたネックレスに向けら
れる。

「それ、イサの手作りの
 ネックレス?」

セリナさんの表情が悲しい色に
変わっていく。