今日から、私は正社員として
働く事になる。
 
仕事内容自体は、バイトの時と
そんなに大差は無いが任される
事も増え、そこには今まで以上
に責任が伴う。
 
鏡の前で髪を梳かしながら
私は、ボーっとある事に囚われ
考えている。

櫛を持つ手は止まったまま・・
 
ある事・・・それは・・・

そう、今日からセリナさんも
仕事に復帰する。
 
この場所へ彼女が戻ってくる。
 
その事が、私の心をかき乱す。

そんな私の想いを察した彼は
私を後ろから抱く。

「美桜、今日から新しい
 スタートだね
 
 仕事、がんばれよ」

「うん、がんばる・・・
 イサ・・・」

言葉を詰まらせた私と向き合い
彼は話す。