ヨウジに殴られた痣は
今はもうどこにもない。

彼の私への愛は、間違った方向
へと進み、その行為によって
私は心も体も傷つき彼を拒絶。
 
彼が私を真剣に愛した故の
出来事だったと、最近は思える
ようになったが、私は彼を二度
と許す事はできないだろう。

「顔の痣、綺麗に治って
 良かったわね」

商品の在庫確認を行う、私の元
に店長は近寄り、勤務終了後に
大切な話がある為、少しだけ
残るようにと言われた。
 
私は話の内容がとても気になる

「私が、正社員にですか?」

私は店長から正社員になる事を
勧められ、即答でその申し出を
受け入れる。
 
今までずっとバイトで居続けた
のも、このお店が大好きだから
新作のお洋服が店内に並ぶ度に
私の胸はドキドキと高鳴り
嬉しく、楽しい気持ちで溢れ
嫌な想い、つらい想いを全て
忘れる事ができた。