製作に区切りをつけたイサオさ
んは私との約束の時間が迫って
いたので、急いで着替えていた
ところに携帯の着信音が鳴る

電話の相手はアキラ

セリナさんが、実家で一人の時
に尻餅をついてしまった事に
よるお腹の激痛と出血の為
救急車で、イサオさんも知って
いる病院へ運ばれたことを知り
慌てた彼は、何も持たずに家を
出てしまった
  
そう彼が携帯電話を忘れた事に
気が付いたのは、ずっとずっと
後の事だった。

病院へ付いた彼は、久しぶりに
弟に会う。
  
アキラは心労な面持ちで
イサオさんに助けを求めた。

「アニキ、セリが大変なんだ」

時計の針は、私との待ち合わせ
の時間を指していたが
イサオさんは、混乱状態の弟と
1ヶ月も早く出産する事に
なったセリナさんを置いて病院
を出て行くことはできなかった