本当の私の心は、とっくに
悲鳴を上げていた。

そんな私を彼の全てが優しく
包んでくれる。
  
私は、この胸にずっと身を
寄せていたい・・・

ずっと・・・

彼の口から、何も無かった事実
を聞いた母は、私を、強く
抱きしめて涙を流す。

母の、その涙に

私の中の母への蟠りが

消えてなくなっていく・・・

「一緒に帰ろう」

繋がれたイサオさんの大きな
手から私への愛が溢れる。

家へと戻る車内で、彼から
セリナさんの話を聞く。
  
どうして、彼女の元へ行くこと
になったのか・・・
  
その経緯を、彼は話してくれた