私は、イサオさんと別れた後
すぐに退院して実家へと
戻っていた。

この部屋を私は、高校を卒業後
すぐに飛び出した。
 
あの時のまま、今も何一つ
変わらない部屋。

ベッドに横になり、いつも
眺めていた窓から空を見つめる

この窓から眺める景色はいつも
とても寂しい色をしていた。
 
私の心を表すように、とても
寂しく、悲しい色。

「もう
 イサオさんに会えない・・・
   
 彼を傷つけてしまった・・」

私は、布団に潜り込み
泣いていた。

実家のドアホンが鳴る音が
聞こえる。
 
私は急いで窓を覗くと、そこに
はイサオさんの車が止まる。
 
彼の姿がわたしの瞳に映る時
ここから見る光景がキラキラ
と輝き、世界は煌く。 
 
下から彼は見上げて微笑んで
私を手招く・・・