私は、イサオさんが遅れたのは
セリナさんの元へ行っていた
から・・・
 
その事実に思い知らされる

やっぱり・・・彼女なのだと

目覚めた私は、ベッドに座る
 
イサオさんは私に近寄り、私を
強く抱き寄せる。

母は、病室から出て行く。

「美桜・・・ごめん・・・
 俺が待ち合わせに遅れ
 なければ」

「離して・・・」

私は、分かっていた。

彼は何も悪くない、悪いのは
私でも彼でもなく
 
ヨウジなのだという事を・・・

だけど、私の言葉は止まらない

貴方がセリナさんを選んだ事実
が私を苦しめ、棘を持つ言葉は
貴方の胸に突き刺さる。
 
「貴方は、またセリナさんを
 選んだ
   
 ナツキさんや私では無く
 ・・・」