車は、遠くに街灯がひとつだけ
灯る真っ暗な場所に停車した

「ミオ・・・

 美桜・・・」

ヨウジが私を呼ぶ声が
イサオさんの声と重なる。

私はやっと我に返り、ヨウジの
腕から離れ、車を飛び出した
 
運転席から降りたヨウジは
少し引きずる足で私を追いかけ
てくる。
 
携帯電話を手に、通報しようと
考えたが震える手ではうまく
操作できない。

手元に気をとられて高いヒール
の私は転んでしまう。
 
そこへヨウジは現れ、私から
携帯電話を奪い取り、その場で
二つに壊してしまった。

辺りは暗く、人の気配は無い

私の助けを求める声は
誰にも届かない。

ヨウジに腕を掴まれ、抵抗も
虚しく左頬を打たれ、私は
その場に、押し倒される。
 
そして、ヨウジは私のブラウス
を引きちぎる・・・