逃げなきゃ・・・

それなのに、私は動けない。
 
あの日の恐怖心が甦り

私を支配する。
 
ヨウジの車は、私を乗せて
走り出す。

『誰か・・・

 イサオ

 助けて・・・』 
 
私の心の声は、イサオさんには
届かない。

「ミオ

 おかえり・・・」

ヨウジは私を抱き寄せる。