15歳の私は、この道を歩いて
帰る事に、いつも恐怖を
感じていた。

また、義父に私は悪戯される
 
そう、学校帰りに実家へと続く
この道が、私は大嫌いだった
 
今も好きにはなれない。

でも、今は月に一度、必ず
この道を通る。 
 
母が倒れて入院した事を
きっかけに、私と母の間に
あった、わだかまりは
ほんの少しだけ無くなる。

全てを許す事はできないが
幼い私を連れて母も生きる為に
一生懸命だったのだろうと
今は、思うことができるように
なっていた。

「お姉ちゃん、いらっしゃい
 今日は一人なんだね」

「ミオ、おかえり・・・

 なんだ、今日はイサオ君は
 一緒じゃないの、残念」

そう、退院後の母に会いに
行こうと言ってくれたのは
イサオさんだった。