イサオさんの家で一緒に暮らす
ようになって、もうすぐ4ヶ月
が経とうとしている。
 
あんなにも、いろんな出来事が
立て続きに起こっていた日常が
嘘のように何事もなく、順調に
穏やかなに、時は進んでいく

いろんな思いを突き詰めれば
次々に不安は出てくる。
 
私たちは、あれから一度も
アキラには会っていない。
 
彼が、今どうしているのか?

どんな気持ちで過ごして
いるのか?
 
全く知ることはなかった。

私とイサオさんの間に、アキラ
の話はしないという暗黙の了解
が成立されていた。

今も、アキラの手を離した
あの日の事を思い出すと
胸が張り裂けそうになり・・・

苦しい・・・

そんな時、私は左手の指輪に
触れて心を落ち着かせる。