「何か・・・聞かせて」

私は、何も言えない。

「アキラ
 
 美桜を攻めるのは・・・」

アキラは、ソファーの前の
テーブルを叩いた。
  
その手が折れる程に、強く。

「ミオ、なんて呼ぶな」

いつもの優しいアキラの変わり
果てた別人のような姿に、私は
驚き、体は震え、声が出ない

震える私をそっと抱きしめる
アキラにヨウジの面影が重なり
私は、振るえが止まらない。

「アニキ、お願いだ
    
 ミオと二人きりにさせてくれ
 ・・・最後に」 

私の震えがアキラへと伝わり
彼の手は、私を優しく包み
彼が正気に戻った事を知る。
 
心配そうに私を見つめる
イサオさんに私は、頷く。