「・・・
 俺は、あいつの想いが
 セリに届けばいい
 
 そう、ずっと思ってた
 
 ごめん・・・

 アキラの煮え切らない態度
 のせいで、君は悩んでいた
 のに・・・」

イサオさんにとって、アキラは
目に入れても痛くない程に
かわいい弟。

兄弟ってこんなにも仲良いもの
なのだろうか・・・

私は、妹とゆっくり話した事
さえない。

鍵を開ける音が聞こえる。

アキラは、玄関先に並べて
置かれたイサオさんの靴を見て
ただならぬ雰囲気に、唾を
飲み込んだ。
  
「ミオ・・・どうかしたの?」

ソファーに座るいつもと変わら
ない私の姿を見てアキラは安堵
する。