「いや、細々した事が苦手な
 アキラは、すぐに嫌気が
 さして続かなかったよ
    
 あいつは親父の作り出す
 家具に興味を持って
 インテリアの道に進む事に
 したんだ
    
 母は器用な俺に自分の持つ
 技術の全てを教えてくれた
 そのおかげで、今の俺が
 あるんだけどね
    
 高校の頃には、もう簡単な
 物なら作れるように
 なってた、だから学校には
 指輪はもちろんネックレス
 ブレスレット、ウォレット
 チェーンまで手作りして
 付けて通ってたよ」

彼は、瞳をキラキラさせなが
ら昔の思い出を話す。

「女物を作ったのは、これが
 初めてだったかなぁ?
    
 母親に何か作ってやった事
 があるかも・・・忘れた
    
 この作品はこんな簡単な
 デザインなのに結構、時間
 がかかった事を憶えてるよ
 ・・・」