イサオさんの首には亡くなった
恋人ナツキさんの形見のネック
レスがいつも、付けられている
  
私は、彼の大切な思い出の
ネックレスに触れてみた。

「外したほうがいいね」

鎖に触れる彼の手の上に
私はそっと手を置いた。

「外さないで・・・
 その首飾りは、もう、イサオ
 さんの体の一部だもの
 外さなくていいよ
    
 それは、イサオさんが彼女の
 為に・・・」

「そう、俺が作って彼女に
 贈った・・・
    
 俺の母親も、俺と同じ
 アクセサリー作家で小さい頃
 からよく、仕事をしている母
 の隣で俺も何かを作ってた」

「じゃあ、アキラも・・・
 何かを作る事ができるの?」